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メガバンク傘下でも「三菱直系」のジャックス

三菱UFJフィナンシャルグループのジャックスは、メガバンクのノンバンク戦略で再編の対象となる可能性を秘めています。

ジャックスは54年に函館市で設立され、その後は北海道・東北地域を営業地盤に活動していました。70年代中盤に入って、大手他社と同様に営業エリアを全国に展開してきました。現在でも北海道地区では依然影響力があり、97年に北海道拓殖銀行が破たんした際、他社に比べて低金利の消費者ローンを提供して、地元経済の救済に一役買ったことがありました。現在も、ジャックスのキャッシング金利は18%と、業界では最も低金利です。また、同社は旧三菱銀行と親密な関係にあるだけに、バブル時代の不良債権は少なく、総取扱高に占める各事業部門のバランスが取れているのが特徴です。

とはいえ、個品あっせん分野は主力部門。05年度の中間決算によると、訪問リフォーム業者への社会的批判の高まりを考慮して、リフォーム関連の加盟店の販売方法を見直したり、販売自粛したりしたことで、前年度に比べて僅かながら減少しました。商品別では、二輪車や太陽光発電などの環境商品が好調です。特にジャックスの主力分野のひとつでもあるオートローンは、中古車市場に積極的に参入して収益に貢献しています。

05年10月、三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)の誕生により、ジャックスはセントラルファイナンス、UFJニコスとともにMUFGに属することになりました。ここで焦点になるのは、信販事業の一部門である信用保証です。MUFGには、業務提携している消費者金融大手のアコムがあります。MUFGのトップ級の幹部は、ある会見の席で「個人与信の能力が高いアコムにグループ内の個人ローンの審査を集中して担当してほしいと考えている」と発言しました。消費者金融大手は、金融機関の消費者ローンの保証業務を多数受託して手数料を稼いでおり、この分野では優れた独自のノウハウを持っています。

しかし、ジャックスでも04年度の信用保証残高は5400億円と、取扱高の中では稼ぎ頭です。信販会社はもともと、金融機関のカードローンの保証業務では長い歴史を持っているので、そう簡単に消費者金融に譲るわけにはいきません。

ただ、メガバンクにとって、グループ内に同業態の企業が3社もあるということは経営効率上、好ましいものではありません。UFJニコスが発足したばかりなので、すぐに3社が合併することはないでしょう。しかし、将来的には保証業務やオートローンなど、事業分野ごとの再編に取り組まなければ、グループの存在意義も希薄になります。