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新生銀行に売却されたアプラス

アプラスは04年、メガバンク同士の統合を控えて新生銀行傘下に入りました。現在は、同行のノンバンク戦略の重要な担い手となって、収益増に貢献しています。

UFJ銀行の大口融資先だったアプラスは、02年に同行などから約1000億円の債務免除を受けて再建を図りましたが、04年8月にUFJホールディングスが三菱東京フィナンシャルグループとの経営統合を決めたことで、大口融資先の処理を進めざるを得ない状況になりました。

アプラスは当時、UFJグループが発行済み株式数の約4割を保有し、UFJ銀行、UFJ信託銀行の2行で約2000億円を融資していました。アプラスもまた、バブル期の「負の遺産」が相当額あったということを示しています。04年9月、新生銀行がアプラスの約70%の株式を取得して傘下に収めることが決まり、現在は新生銀行が推進する「ノンバンクビジネス」の最有力企業の地位を得て、再建を図っています。同行は、投資銀行業務、リテールバンキングに加えて、ノンバンクビジネスを中核事業に据えており、昭和リースや消費者金融準大手のシンキに続いて、大手信販を掌中に収めたことになります。

アプラスの04年度決算は、不動産担保融資などの不良債権処理のために3250億円の特別損失を計上し、2600億円の赤字決算に転落、再建に向けて険しい道を歩み出しました。

アプラスは、05年度から第5次中期経営計画「アプラス・フォワード・プラン」を策定し、高収益が期待できる個品あっせん業務を事業の中核に据えました。また、消費者金融事業にも力を入れ、「NEWスピリッツAカード」は最高200万円まで融資枠を拡大、教育、結婚資金などの目的別ローンも品揃えを図っています。

セントラルファイナンスが財務内容の健全化のために個品からクレジットカードヘの傾斜を強めているのと比べると、短期間での赤字脱却が至上命令かのように映ります。中期計画では、5年後に「リテールノンバンクのトップ企業となる」ことを最終目標にしています。そのためには、収益性の高い分野に資金を集中させる「選択と集中」作戦ともいえます。スポンサーが外資ファンドの新生銀行らしい、スピード感を期待した戦術といえるでしょう。新生銀行グループの昭和リースとの間でビジネスマッチング契約を交わすなど、グループ内のノンバンク提携が進みつつあります。

05年度中間期の業績では、個品あっせんや融資など、信用保証を除いた各部門で前年同期比プラスを記録し、取扱高全体で7・5%の増加とまずまずの成績を収めています。